鈴木、根岸両教授がノーベル化学賞を受賞され、両教授の談話がいろいろ報道されていますが、根岸教授の「研究が甘くなる」という言葉が印象的で、このところ頭から離れません。根岸教授は、10月8日付け日経新聞で、「純学術的な研究を否定するつもりはないが、研究は企業の役に立つ必要がある。研究者が『もうける』ことを追求しないと、もう一歩、更に進めば応用できるのでは、というシビアな判断を欠き研究が甘くなる」、さらに「日本の若手研究者には外国に出て、日本がどういう国か見てほしい。中から見ただけで自分たちを判断すると研究も甘くなり生産性も落ちる」と話されています。
基礎研究と応用研究の関係、研究とその実用化の関係、理論と実践との関係等、古くからの課題を「研究が甘くなる」という簡単な言葉で表現しています。これは自然科学分野だけの問題ではなく、社会科学、人文科学にも当てはまり、要は、優れた研究をするには現実との緊張関係を維持しなければならないと言うことでしょう。この緊張関係を維持するためには、実用化や実践を意識することが必要であり、同時に海外に身を置くことによって日本の研究や研究者をを相対化し、世界の研究者との競争を通じて現実との緊張関係をより高めていくことができると話されているようです。
改めて、久しぶりに、自分の行っている研究は一体どうなのか、自問させられた言葉でした。
2010年12月17日 ノーベル化学賞受賞の根岸教授の「研究が甘くなる」
2010年度








