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2011年度 第2回 精密機械業界(通算2回)

日本精工株式会社 筒井民朗様

大学卒業後、日本精工株式会社に入社。
経理、人事、秘書として経験を積んだのち
念願の営業職へ。
ベアリング一筋で国内トップシェアを誇る「天下のNSK」を支えてきた。

ベアリングは「産業界の米」

私、日本精工という会社に定年するまで勤めておりました。
1970年に入社して、約25年間近く営業の仕事をしてまいりました。
日本精工がどういう製品を造っているのかというと、ベアリングっていう品物わかる方いらっしゃいますか?

ベアリングは自動車・家電製品・電車・工作機械・航空機・ジェットエンジン・建設機械、とありとあらゆるところに使われています。今もエレベータで3階まで上がってきましたが、エレベータもベアリングがなかったら動かないんですね。このベアリングがなかったら多分世の中のモノはできないんじゃないか、と言われるくらいものです。従いましてベアリング業界でずっと仕事をしてきた人たちは、ごはんといっしょということで、「産業界の米」という表現をよく使います。

では、ベアリングにはどのようなものがあるかというと、小さいものだと歯医者さん用のスピンドリル。そのベアリングは直径3ミリとか2ミリくらいのすごく小さいのが使われています。大きいベアリングというと、アクアライン走った方いらっしゃるよね?そのトンネルを掘る機械。この直径が14mあるんです。真ん中のカッターをグルグル回転させながらこのマシンが進んで行くと、通った後がトンネルになっていく。このカッターを回すためのベアリングの外径が約7m~10mぐらいあるんです。これが多分今までの中では一番大きいベアリングではないかと思います。
それから今、原発に代わるものとして風力発電が注目されていますが、風車の羽が60mくらい。受けるところにベアリングが使われています。

あらゆる業界で使用されるベアリングは見えないんですが、なくてはならない品物で「縁の下の力持ち」なのです。

グローバルな世界展開

日本精工はベアリングの部門で言えば、日本の国内で約37~38%のシェアを持ってます。全世界では15%ぐらいのシェアになります。それだけの役割を持っているんですよね。
日本精工に勤めて我々は「天下のNSK」と言ってるんですよ。
このベアリングが日本で一番だと。世界で一番だと。絶対に負けないという気持ちで営業やって売り込んでいます。

日本の売上と海外の売上どっちが多いかと言ったら今はもう海外の売上のほうが多いんです。生産拠点が国内22拠点。海外40拠点。イギリス、ドイツ、ポーランド、アメリカ、ブラジル、タイ、中国、韓国、インド、マレーシア、インドネシア。販売拠点も全世界で116拠点。
そのうち80拠点が海外にあるわけ。いま言った以外のところでいくとフランス、イタリア、スペイン、トルコ、南アフリカ、カナダ、ペルー、アルゼンチン、シンガポール、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド、台湾。
海外の製造現場で実際に働いてるワーカーの方たちに日本の生産方式を教えていくんですね。現場で働いている人の今はもう2人に1人ぐらいが海外勤務を経験してるというような状況になってきています。

僕は日本精工には37年間いたんだけども一番残念なのは海外の勤務を経験したことがなかったってこと。国内しか結果的に経験することができなかったっていうのが一番、ある意味じゃ残念だな。

部品メーカーの使命

部品というと‘なぁんだ部品メーカーか’というふうに思っておられる方がいるのではないかと思うんですが、日本の部品というのは世界に冠たる技術を持って作られてるのが沢山あります。
もう部品がなかったら絶対モノができない。ぜひ部品という部門にも目を向けていただきたい。

まぁ新幹線の話であれば速く走らせる車両をつくろうといったら一緒んなって、ベアリングをつくる。スピードがでるようになるためにはこれをどうしたらいいだとか、今まで5年しか持たなかったものを10年持たしてくれって言った時にはどうするか、材料開発するだとかですね。
メーカーに対する、モノを売る先の窓口は営業なんです。営業が、どこのセクションで、どういう仕事を、もしくは開発をしているかっていう情報を掴んでいくのよ。
これが営業の第一歩なんです。これを掴んでくることによってそこに、自分たちが持ってる技術力で何が提供できるのか何で貢献できるのかっていうところの、技術的な細かいことは我々営業わかりません。自分たちのところの、技術担当を連れて行ってそこに説明さして、例えば日本精工なら日本精工のこの品物を使うことによってこれだけのメリットがあると、こういったことをですね、展開していくところが営業なんです。

この部分っていうのは、他のメーカーもみんな一緒だと思います。この地球が続く限りはこのベアリングはなくならない、それはなぜかといったらエネルギーロスをなくためのものだからです。絶対に必要とされるもの。こういう自負心を持っています。
だから我々は、日本精工という会社に勤めたことを大変誇りに思ってます。
それは、国内のトップシェアを持っている、ベアリングでは絶対に負けない、そういった気持ちでモノを売ってきてるということです。

いろんな方向から会社を知ろう!

じゃぁ皆さん、会社に入って最初から自分が思うようなかたちの仕事をさせてもらえるのか?などいろいろな悩みがあるのではないかと思います。

僕らが入社した時には、基本的には1年間はメーカーでモノづくりの現場を経験するということで工場に配属になりました。
僕が最初に配属になったのは工場で経理の仕事。
次に人事、そして石油会社のほうで秘書を4年間、それで日本精工に戻ってきて営業です。
これだと‘最初から営業を希望してたのに工場に配属になっちゃった’となるけれども、僕らからいうと逆!
自分の会社の製品知識がなくて最初から営業に出て、モノ売るというのはすごくきついと思うんです。

今の若い方は、3年で3割以上の方が‘自分の思っていた仕事と違う’という理由で辞めてしまいますが、
僕が言いたいのは最初からご自分が希望している仕事があって、その仕事に就けなくても、
まずは会社全体のことを理解するということを念頭に置いて、
そして会社のことがわかってきて、その中から自分としてこういう方向の仕事をしてみたいというかたちを取られた方がいいと思うんです。

学生諸君へ ~挑戦、執着心、情熱、そして実行~

これは社長が我々社員に対して呼びかけた言葉です。
この挑戦というのは、何をおいても皆さん若いんだから、ぜひ挑戦して頂きたい。

若い人たちというのは、失敗することを恐れる。
それは恥をかく。
ただ失敗した時にそれから何を学ぶかという事が大事。
失敗を恐れてはいけない。
挑戦しないのが悪い。
失敗はして当たり前。

挑戦するチャレンジ精神、これは是非持っていただきたい。

執着心って言葉、今はあまり若い人は使わないのではないかと思うのですが、一、二回失敗したら諦めてしまいます。
みんな、もうだめだと俺はできないと。それではだめなんです。何回でも挑戦する。
われわれが営業をやっていたときには、‘せんみつ’という言葉があるんです。‘千に三つ’という言葉です。
例えばアポなし訪問でお客さんにモノを売り込むとき、千軒訪問したら実際に注文を取れるのは三軒だと。だからこれ‘せんみつ’というんです。それぐらい、執着心を持ってやらないと、なかなか結果が出てこない。

だからこの、執着心。そういったことをやるためには、自分の会社、自分たちが造ってる製品に対して情熱、熱意、これがなければだめです。自分が挑戦してみたい、これはもう絶対やるんだって、これだけの情熱をもってやるんだ、と
それを必ず形にして自分で実行してみると。
そこから得られるものは、大変大きいものだと思うんです。
だからこれを是非、皆さんにお願いしたい。

私の今日の講義、終わりにさせていただきたいと思います。
ご静聴どうもありがとうございました。

>>業界研究 第3回 エネルギー(小売石油)