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2017年度 第5回 空調設備業界(通算87回)(平成29年11月2日)

環境負荷低減に貢献する空調設備工事業

正田 良次様  
 元高砂熱学工業(株)取締役専務執行役員(社長室長)

◆ はじめに

大学院修士課程(建築学科)を修了後、25歳で高砂熱学工業株式会社に技術者として入社。技術部門の管理職(課長・部長)を経て53歳で取締役となる。以後、札幌支店長に続き東京本店長として支店経営全般に当たり、日常は主として営業業務を行なってきた。専務執行役員社長室長を最後に退任。71歳で退社。

製造業とは異なる建設業の中で、エンジニアリングを重視した空調設備工事業とはどんな仕事をする企業かを理解する。次に受注産業における営業マンの業務概要と、営業マンに必要な知識・スキル・心構え等を理解する。

◆ 空調設備工事業とは

(1)建設業界の中での空調設備工事業
  空調設備工事業は建物の空調設備(空気調和設備)の設計・施工を行う建設業で、建築設備工事業の代表的な 
  ひとつである。空調設備は室内空気環境の4要素(温度・湿度・空気清浄度・気流)を調節するための設備で、冷
  暖房・換気・排煙を行う機械や配管で構成されている。なお、建築設備工事業には空調設備工事業の他に、電気
  設備、衛生設備(給排水設備、消火設備、ガス設備)、昇降機設備(エレベータ、エスカレータ)等の各工事業があ
  る。
(2)建築主、建築設計事務所、ゼネコンと空調設備工事業との関係
  建築主の設備工事発注方式には大別して次の2種類がある。
     ①設備分離発注方式: 設備工事業者が元請け業者となる。
     ②設備一括発注方式:: 設備工事会社はゼネコンの下請け業者となる。
  設計事務所は、建築主の代理として設計業務及び設計監理業務を行なう。
(3)空調設備機器メーカーと空調設備工事業との違い
(4)建設業(非製造業)の特徴
  ①受注生産(受注してから作る、請負契約)
  ②一品生産(個別の設計)
  ③現地生産(現地組み立て比率が高い)
  ④地場産業(顧客のアフターケアが重要)
  ⑤重層下請け(元請け、1次下請け、2次下請け、・・・)
  ⑥リニューアル需要の増加(建物の長寿命化に伴い設備改修工事が増加)
(5)環境負荷の低減に貢献する空調設備
  環境負荷の一つである温室効果ガスは地球温暖化の主原因と言われている。2015年12月の“パリ協定”を受け
  て、日本も「2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比マイナス26%にする」という自主目標を設定した。温
  室効果ガスの代表であるCO₂ガス排出量の削減対策として“省エネルギーの推進”が注目されている。空調エネ
  ルギーは建物消費エネルギーの約50%を占めている現状から、その省エネ対策実施が環境負荷低減に大きく貢
  献をすることになる。

◆ 高砂熱学工業(株)の概要

(1)会社概要:
   1923年設立。資本金131億円の大手空調設備工事業。
   従業員2,010名(技術75%、営業10%、事務・他15%)
(2)施工実績建物例:
   超高層ビル、ドーム球場、病院、研究所、工場、の事例を写真で説明
(3)技術職の業務:
   現場の施工管理業務、設計業務、等
(4)営業職の業務:
   ①営業企画・事務(内勤)
   ②営業(外勤兼内勤)
     顧客定期訪問・情報収集・受注作戦計画と実施・見積・契約・・・

◆ 営業職に必要な知識・スキル・心構え

(1)対客先では
  ①“信用”と“信頼”の確保
  ②商品知識の習得(セールスエンジニアとしての基礎知識)
  ③各種最新情報の収集
  ④提案書作成技術とプレゼン技術の向上
(2)対社内では
  対客先業務の優先を理由に、社内業務をおろそかにしないこと。
  ①議事録・連絡書等の各種文書記録作成の習慣づけ
  ②社内ルールや標準類の順守の習慣づけ
  ③数字データ、統計データ、グラフ等から何を読み取るか、読み方の訓練

◆ 失敗談

  ①社会問題になりそうな土壌汚染事故が発生(暖房用灯油の漏洩)
  ②新規顧客開拓を狙って大赤字の大規模工事を受注
  ③大規模オフィスリニューアルで設計ミスにより冷房が不足
以 上