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2014年度 第10回 住宅販売業界(通算52回)

金井 英夫 様

元住友林業株式会社 常務執行役員

住宅産業での仕事

住宅産業の概要と家造りの歴史

 住宅産業は大きく分けると、分譲住宅や注文住宅などのような新築事業分野と、家の増改築(リフォーム)や中古住宅の買い替えなどのサービスを提供する既存住宅に関わる事業分野(ストック)、そしてそれらを支える周辺事業分野に分けられます。

 産業全体の規模は国内総生産(GDP)の約8%前後を占める国の基幹産業といえます。
新築事業、既存事業においては、他の産業のように大企業が独占するという形態でなく、地域に密着した事業形態で、多くの中堅・中小企業が活動している産業であり、基幹となる戸建て住宅事業では、大手ハウスメーカーの合計シェアが20%止まりなのに対し、中堅・中小企業を合わせたシェアは5割を超えています。

 戦後の家造りの歴史は日本経済の歴史と歩調を合わせる形で変化してきており、戦後の復興期から高度成長期にかけては「住む家の量を確保すること」がテーマということで、新築住宅の着工戸数が右肩上がりに増加、1973年には年間着工戸数が190万戸にも達しました。

 1970年代の後半から1980年代にかけての安定成長といわれる時代になると「量の拡大から質の向上へ」と方向性が変わり、現在の大手ハウスメーカーといわれる企業ブランドが確立されるなど、新築住宅事業を柱とした産業構造が確立されました。

 しかし1990年の不動産バブルの崩壊をきっかけに、日本経済は長期不況から低成長の時代へと移行、新築住宅着工は150万戸から120万戸水準に下落、2009年に起きた金融バブルの崩壊によって着工戸数は一気に80万戸まで下落、これまでの新築を柱とした事業構造からの転換を余儀なくされる事となりました。

日本の住宅産業の将来展望

日本は少子化による人口・世帯数の減少、そして高齢化が進んでいく中で、住宅産業は新築頼みでなく、リフォーム(増改築など)やリノベーション(大規模改修)といった既存住宅に関わる事業が急激に拡がりを見せています。

 言い換えれば、新築を中心とした縦の事業構造から既存住宅ビジネスという横の拡がりへと構造改革が進む事と予測されます。それによって人口・世帯数の減少による市場の縮小をカバーして、産業全体としては持続的成長へとつなげる事ができると見られています。

住宅産業での仕事

ここでは日本の家造りの中心を担う新築戸建住宅に焦点を当てて、仕事の特徴や仕事に求められるもの、そして仕事のやりがいや醍醐味についてお話ししたいと思います。

 仕事の特徴としては、単なる家という箱を作るのではなく、住まい方を提案してそれを形に表す事といえます。そのためにはお客様に寄り添える体制づくりが必要で、地域に密着した事業スタイルを作らなくてはなりません。単にモノを売るということでなく「住まいのコンサルタント」といえる活動です。

 仕事の中身はで大切な事は、お客様の思いをしっかりと受け止められるかどうかという事で、まずは社員として、企業としてお客様との信頼関係が築けるかどうかがカギとなります。

 お客様とのお付き合いは、住宅展示場への来訪、広告やイベントなどのお客様へのアプローチにから始まって契約、詳細部分の確認を済ませた上で工事を行い、完了して引き渡しをするまで1年にもなります。
家の建築は、工事が完成したら終わりでなく、お客様への引き渡し後もアフターサービスとしての定期点検や、巡回業務など、お客様との長いお付き合いをしていくことになります。

 このようにお客様にとって大切で責任の重い仕事なので色々な苦労も伴いますが、生活の場をお客様と共に作り上げるという醍醐味があり、お客様の夢の実現=自分の夢の実現という事が感じられるやりがいのある仕事といえます。何といっても、お客様から「心からありがとう」と言って頂けるのが、長いおつきあいをした担当者の最大の喜びとなります。このように住宅産業での仕事は「住まい造りは人づくり」と仕事を通じての人間形成へとつながるものといえます。

最後に

 社会人に向けて、学生時代をどのように過ごすかという事について、私からのメッセージをお話したいと思います。
 学生時代は自分の可能性を開くとき----人生の転換点といえます。学生時代は自由に時間を過ごせますが、その結果はすべて自分に返ってきます。誰のせいにも出来ない、自分で選んだ道、つまり「自己責任」なのです。

 有意義に過ごすためには、まずは「自分の考え方、行動を変える」ことです。これまでは親や先生から教えてもらう、してもらうという受身の自分だったものを、自分で考え、判断し、行動するという自立した自分へと変えて行く事が大切なのです。

 まずは「今自分にとって何が大切か」をいつも考える習慣をつける事。そして、何事に対しても、これは「何のために」、「誰のために」するのかという視点で考える習慣をつける事です。それによって物事の大切な事が分かる自分になっていけます。

 最終的には「目指すものを持てる」自分になっていくことが自分の未来を開いていくことになります。
是非何事にもチャレンジする、行動する自分になっていって下さい。